前回の話では、FSH値が高かったので、
結局プラノバールを処方された・・・で終わりました。

FSHとは卵胞刺激ホルモンです。
脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの一種で、
卵胞ホルモンの分泌を促して、卵胞を成熟させ、
排卵までの過程を促進させます。

KさんのFSHは20でした。
これを高いとみなすのか・・・?
FSHの正常値は卵胞期で5.2~14.4mlU/mlとか
3.5~12.5mlU/mlとか3.0~12.0mlU/mlなど
表記は様々ありますが、おおよそ似たような数値です。
Kさんの数値は確かに正常値よりに高いです。

ただ、FSHが20以上とか30以上の方もおられます。
それでも、卵胞が育って採卵してみたらちゃんと受精して、
移植できて、妊娠・出産される方も多くおられます。

FSHが40以上あって、生理から2週間経っても卵胞が見えず、
もう1週間だけプラノバールを飲むのを待って診察をお勧めした
患者さんがおられました。
生理から18日目とか20日目とかくらいから卵胞が出てくる人が
時々おられます。

卵胞が出てくるのが遅かったけれど、採卵して受精。
その受精卵を移植して妊娠・出産された方も多くおられます。

ですから、10日目の診察とか14日目の診察で卵胞が見えなかったり、
成長スピードが標準より遅かったとしても、経過をみてもらうことも
大切だと思います。
もしかしたら、早めにプラノバールを飲んでその周期をリセットしたがために、
遅いけれど出てくる卵胞を見逃していることがあるかもしれません。
・・・ということになりますね。

要するに、FSHが20~30くらいで卵胞が出てくるのが遅いからと言って、
早めにリセットしない方がいいこともあるということです。

そうそう、漢方の話もすることになっていましたね。
Kさんご夫妻は紹介した漢方クリニックに行かれました。
彼女には加味逍遥散、桂枝茯苓丸。
ストレスを和らげて血行を良くして冷えを取ろうという
目的かなと思います。

ご主人には六味丸、桂枝茯苓丸を処方されたようです。
身体にこもった熱を取り除き、血行を良くして生殖能力を
高めようという目的かなと思います。

ちなみに、クリニックで漢方を処方されると保険が使えて、
とっても経済的ですよ。

2015年当時。Kさん(38歳)は、
14日間のプラノバール服用後2日目に当院に来ていただきました。
プラノバールを服用後、早い人で2日目から生理が始まる人が
います。多くの人は3日目~4日目に生理が始まります。
40代になると、5日目とか6日目から生理が始まる人が
多いように思います。

FSHの数値は25で前回とあまり変わらなかった。
Kさんに「卵胞が育つかどうかドクターに相談してみたら」と
アドバイスしていたのですが、FSHの数値が高いということで、
ドクターからリセットをするように言われました。

そして、ペラニンデポーの注射に、またプラノバールを
14日間処方されたのでした。
Kさんは少し前から転院したいと言われていたので、
「今通っているクリニックの治療方針が合わなかったり、
気持ちがモヤモヤしてストレスが溜まるなら、転院するのも
いい機会かもしれないね」とアドバイスしました。

それは、セカンドオピニオンも大切だと思うから。

〇〇クリニックもいいし、△△クリニックもいいかもと
ご紹介しました。
そして、Kさんは〇〇クリニックに転院することを
決意したのです。
プラノバール服用中のことでした・・・。

to be continued
Omura